概要
1971年2月8日、全米証券業協会(NASD)によって NASDAQ (National Association of Securities Dealers Automated Quotations)が開設され、取引が開始された。これは世界初の電子株式市場であり、物理的な立会場を持たず、コンピュータネットワークを通じて価格提示を行う画期的なシステムであった。
背景
- 場外取引の不透明性: 当時の場外取引(店頭取引)は電話連絡に依存しており、価格情報が不透明で、投資家にとって不利なスプレッド(売値と買値の差)が生じやすかった。
- コンピュータ技術の進展: コンピュータによる情報処理能力の向上に伴い、証券取引の自動化・効率化への期待が高まっていた。
- SECの要請: 米国証券取引委員会(SEC)は、証券市場の断片化を解消し、透明性を高めるよう業界に求めていた。
何が起きたか
- 1971年2月8日: NASDAQシステムが稼働を開始。当初は「自動見積もりシステム」として、全米のブローカーに株式の気配値(Best Bid and Offer)をスクリーン上で提供した。
- 取引形態: 開設当初は売買そのものをマッチングする機能はなく、実際の取引は依然として電話で行われていたが、価格情報がリアルタイムで共有されるようになった。
- 指数の算出: 同日、NASDAQ総合指数の算出も開始された(基準値は100)。
影響
- テクノロジー企業の成長基盤: ニューヨーク証券取引所(NYSE)に比べて上場基準が柔軟だったため、AppleやMicrosoft、Intelといった新興のハイテク企業がNASDAQを選択し、資金調達を行うことで巨大企業へと成長した。
- 市場の電子化: 物理的な「立会場」を不要とするNASDAQのモデルは、その後の世界の証券取引所の電子化(スクリーン取引)の先駆けとなった。
- 世界第2位の市場: 現在、NASDAQは時価総額で世界第2位の証券取引所となり、特にハイテク株の比率が高いことで知られる。