概要

イランのカスピ海沿岸の都市ラムサールで開催された国際会議において、「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」(通称:ラムサール条約)が採択された。これは湿地の保全と「賢明な利用(ワイズユース)」を目的とした、世界初の地球規模の環境条約である。

背景

  • 経済発展に伴う開発により、世界各地で湿地の埋め立てや干拓が進行し、水鳥の生息地が急速に失われていることへの国際的な懸念が高まっていた。
  • 水鳥は国境を越えて渡りを行うため、一国の対策だけでなく、国際的な協力による保護枠組みが必要とされていた。

何が起きたか

  • 1971年2月2日、18カ国の代表が集まり、条約テキストが採択された。
  • 条約は1975年に発効し、登録湿地の保全と適正な利用が加盟国に義務付けられた。
  • 採択された2月2日は、後に「世界湿地の日(World Wetlands Day)」として記念日に制定された。

影響

  • 湿地を単なる「湿った荒地」ではなく、多様な生物を育み、水質浄化や洪水調整などの機能を持つ重要な環境資源として再評価する契機となった。
  • 「賢明な利用(ワイズユース)」という概念を提唱し、自然保護と人間活動の持続可能な調和を目指すモデルケースとなった。
  • 日本においても釧路湿原や琵琶湖などが登録され、湿地保全に向けた法整備や市民活動が活発化した。

関連