分断本能

ファクトフルネスとは、話の中の「分断」を示す言葉に気づくこと。 それが重なり合わない二つのグループを連想させることに気づくこと。多くの場合、実際には分断はなく、誰もいないと思われていた中間部分に大半の人がいる。 分断本能を抑えるには、大半の人がどこにいるか探すこと。

平均の比較に注意

分布を調べると、二つのグループに重なりがあり、分断などはないことが多い

「極端な数字」の比較に注意

人やグループには必ず、最上位層と最下位層が存在する。その差が残酷なほど不公平なこともある。しかし多くの場合、大半の人や国はその中間にいる。

「上からの景色」であることを思い出す

高いところから低いところを正確に見積もるのは難しい。どれも同じくらい低く見えても、実際には違う。

ネガティブ本能

ファクトフルネスとは、ネガティブなニュースに気づくこと。 そして、ネガティブなニュースの方が圧倒的に耳に入りやすいと覚えておくこと。物事が良くなったとしても、それについて知る機会は少ない。すると世界について、実際より悪いイメージを抱くようになり、暗い気持ちになってしまう。 ネガティブ本能を抑えるには、「悪いニュースの方が広まりやすいことに気づく」 こと

「悪い」と「よくなっている」は両立する

「悪い」は現在の状態、「よくなっている」は変化の方向。2つを見分けられるようにしよう。「悪い」ことと「よくなっている」ことが両立し得ることを理解しよう。

良い出来事はニュースになりにくい

ほとんどの良い出来事は報道されないので、ほとんどのニュースは悪いニュースになる。悪いニュースを見た時は、「同じくらい良い出来事があったとしたら、自分の元に届くだろうか?」と考えてみよう。

ゆっくりとした進歩はニュースになりにくい

長期的には進歩が見られても、短期的に何度か後退するようであれば、その後退の方が人々に気づかれやすい。

悪いニュースが増えても、悪い出来事が増えたとは限らない

悪いニュースが増えた理由は、世界が悪くなったからではなく、監視の目がより届くようになったからかもしれない。

美化された過去に気をつける

人々は過去を美化したがり、国家は歴史を美化したがる。

直線本能

ファクトフルネスとは、「グラフはまっすぐになるだろう」という思い込みに気づくこと。 実際には、直線のグラフのほうが珍しいことを覚えておくこと。 直線本能を抑えるには、グラフにはさまざまな形があることを知っておくこと

何でもかんでも、直線のグラフを当てはめない

多くのデータは直線ではなく、S字カーブ、すべり台の形、コブの形、あるいは倍増する線の方が当てはまる。子供は、生まれてから半年で大きく成長する。でも、いずれ成長がゆっくりになることは、誰にだってわかる。

恐怖本能

ファクトフルネスとは「恐ろしいものには、自然と目がいってしまう」ことに気づくこと 恐怖と危険は違うことに気づくこと。人は誰しも「身体的な危害」「拘束」「毒」を恐れているが、それがリスクの過大評価につながっている。 恐怖本能を抑えるには、リスクを正しく計算すること

世界は恐ろしいと思う前に、現実をみよう

世界は実際より恐ろしく見える。メディアや自身の関心フィルターのせいで、あなたの元には恐ろしい情報ばかり届いているからだ。

リスクは、「危険度」と「頻度」、言い換えると「質」と「量」の掛け算で決まる

リスク=危険度x頻度だ。と言うことはつまり、「恐ろしさ」はリスクとは関係ない。

行動する前に落ち着こう

恐怖でパニックになると、物事を正しく見られなくなる。パニックが収まるまで、大事な決断をするのは避けよう。

過大視本能

ファクトフルネスとは、ただ一つの数字が、とても重要であるかのように勘違いしてしまうことに気づくこと 他の数字と比較したり、割り算をしたりすることによって、同じ数字から全く違う意味を見出せる。 過大視本能を抑えるには、比較したり、割り算をしたりするといい。

比較しよう

大きな数字は、そのままだと大きく見える。一つしかない数字は間違いのもと。必ず疑ってかかるべきだ。他の数字と比較し、できれば割り算をすること

80・20ルールを使おう

項目が並んでいたら、まずは最も大きな項目だけに注目しよう。多くの場合、小さな項目は無視しても差し支えない。

割り算をしよう

割合を見ると、量を見た時とは全く違う結論に辿り着くことがある。大抵の場合、割合の方が役に立つ。特に、違う大きさのグループを比べるのであればなおさらだ。国や地域を比較するときは、「一人当たり」に注目しよう

パターン化本能

ファクトフルネスとは、一つの集団のパターンを根拠に物事が説明されていたら、それに気づくこと パターン化は間違いを生み出しやすいことを肝に銘じること。パターン化を止めることは出来ないし、止めようとすべきでもない。間違ったパターン化をしないように努めよう。 パターン化本能を抑えるには、分類を疑うといい

同じ集団の中にある違いを探そう

集団が大規模な場合は特に、より小さく、正確な分類に分けた方がいい

違う集団の間の共通項を探そう

異なる集団の間に、はっとする様な共通点を見つけたら、分類自体が正しいかどうかを改めて問い直そう

違う集団の間の違いも探そう

一つの集団(例えばレベル4の生活を送る人、意識のない兵士)について言えることが、別の集団(レベル4でない生活を送る人、眠っている赤ちゃん)にも当てはまると思い込んではいけない

「過半数」に気をつけよう

過半数とは半分より多いと言うことでしかない。それが51%なのか、99%なのか、その間のどこなのかを確かめた方がいい。

強烈なイメージに注意しよう

強烈なイメージは頭に残りやすいが、それは例外かもしれないと疑った方がいい。

自分以外はアホだと決めつけない様にしよう

変だと思うことがあったら、好奇心を持ち、謙虚になって考えてみよう。それはもしかしたら賢いやり方なのか、だとしたらなぜ賢いやり方なのか、と自問しよう。

宿命本能

ファクトフルネスとは、いろいろなもの(人も、国も、宗教も、文化も)が変わらない様に見えるのは、変化がゆっくりと少しずつ起きているからだと気づくこと そして、小さなゆっくりとした変化が積み重なれば大きな変化になると覚えておくこと 宿命本能を抑えるには、ゆっくりとした変化でも、変わっていると言うことを意識するといい

小さな進歩を追いかけよう

毎年少しずつ変化していれば、数十年で大きな変化が生まれる

知識をアップデートしよう

賞味期限がすぐに切れる知識もある。テクノロジー、国、社会、文化、宗教は刻々と変わり続けている。

おじいさんやお婆さんに話を聞こう

価値観がどれほど変わるかを改めて確認したかったら、自分のおじいさんやおばあさんの価値観が今の自分達とどんなに違っているかを考えるといい

文化が変わった例を集めよう

今の文化は昔から変わらないし、これからも同じだと言われたら、逆の事例を挙げてみよう。

単純化本能

ファクトフルネスとは、一つの視点だけでは世界を理解できないと知ること さまざまな角度から問題を見た方が物事を正確に理解できるし、現実的な解を見つけることができる。 単純化本能を抑えるには、なんでもトンカチで叩くのではなく、さまざまな道具の入った工具箱を準備した方がいい

自分の考え方を検証しよう

あなたが肩入れしている考え方が正しいことを示す例ばかりを集めてはいけない。あなたと意見が合わない人に考え方を検証してもらい、自分の弱点を見つけよう

知ったかぶりはやめよう

自分の専門分野以外のことを、知った気にならない方がいい。知らないことがあると謙虚に認めよう。その道のプロも、専門分野以外のことは案外知らないものだ。

めったやたらとトンカチを振り回すのはやめよう

何か一つの道具が器用に使える人は、それを何度でも使いたくなるものだ。一つの問題を深く掘り下げると、その問題が必要以上に重要に思えたり、自分の解がいいものに思えたりすることがある。でも、一つの道具が全てに使えるわけではない。あなたのやり方がトンカチだとしたら、ねじ回しやレンチや巻き尺を持った人を探すといい。違う分野の人たちの意見に心を開いてほしい。

数字は大切だが、数字だけに頼ってはいけない

数字を見なければ世界を知ることはできないが、数字だけでは世界を理解できない。数字が人々の生活について何を教えてくれるかを読み取ろう

単純なものの見方と単純な答えには警戒しよう

歴史を振り返ると、単純な理想論で残虐な行為を正当化した独裁者の例には事欠かない。複雑さを喜んで受け入れよう。違う考え方を組み合わせよう。妥協もいとわないでほしい。ケースバイケースで問題に取り組もう。

犯人探し本能

ファクトフルネスとは、誰かが見せしめとばかりに責められていたら、それに気づくこと 誰かを責めると他の原因に目が向かなくなり、将来同じ間違いを防げなくなる。犯人探し本能を抑えるためには、誰かに責任を求める癖を断ち切るといい。

犯人ではなく、原因を探そう

物事がうまくいかない時に、責めるべき人やグループを探してはいけない。誰かがわざと仕掛けなくても、悪いことは起きる。その状況を生み出した、絡み合った複数の原因やシステムを理解することに力を注ぐべきだ。

ヒーローではなく、社会を機能させている仕組みに目を向けよう

物事がうまくいったのは自分のおかげだと言う人がいたら、その人が何もしなくても、いずれ同じことになっていたかどうかを考えてみるといい。社会の仕組みを支える人たちの功績をもっと認めよう。

焦り本能

ファクトフルネスとは、「今すぐに決めなければならない」と感じたら、自分の焦りに気づくこと。今決めなければならないようなことは滅多にないと知ること。 焦り本能を抑えるには、小さな一歩を重ねるといい

深呼吸しよう

焦り本能が顔を出すと、他の本能も引き出されて冷静に分析できなくなる。そんな時には時間をかけて、情報をもっと手に入れよう。今やらなければ二度とできないなんてことは滅多にないし、答えは二者択一ではない。

データにこだわろう

緊急で重要なことなら尚更、データを見るべきだ。一見重要そうだが正確でないデータや、正確であっても重要でないデータには注意しよう。正確で重要なデータだけを取り入れよう。

占い師に気をつけよう

未来についての予測は不確かなものだ。不確かであることを認めない予測は疑った方がいい。予測には幅があることを心に留め、決して最高のシナリオと最悪のシナリオだけではないことを覚えておこう。極端な予測がこれまでどれくらい当たっていたかを考えよう。

過激な対策に注意しよう

大胆な対策を取ったらどんな副作用があるかを考えてほしい。その対策の効果が本当に証明されているかに気をつけよう。地道に一歩一歩進みながら、効果を測定した方がいい。ドラマチックな対策よりも、大抵は地道な一歩に効果がある。