名称:
パルマコン(Pharmakon)
概要:
パルマコンとは、元々ギリシア語で「薬」と「毒」の両義性を持つ言葉であり、哲学的にはジャック・デリダがプラトンの対話篇『パイドロス』を再解釈し、この言葉に秘められた両義的な性質を示す概念として用いたものである。
提唱の背景・経緯:
プラトンの『パイドロス』において文字(書かれた言葉)は「パルマコン」(薬であり毒)として記述された。デリダはこれを脱構築的に再読し、言語やテクストそのものの両義性や不確実性を指摘するための中心的なメタファーとして再提唱した。
主な内容・特徴:
- 一つの言葉やテクストが相反する性質を同時に持ちうることを表現
- 言葉やテクストが単一の意味や効果に還元できない両義的存在であることを強調
- 「薬」であると同時に「毒」である言葉の性質を示し、意味の安定性を揺さぶる
批判・議論:
- 両義性の強調が過度になり、概念が曖昧になるという批判
- 解釈の幅が広がりすぎて意味が希薄化するとの議論もある
影響・関連性:
脱構築の代表的概念として、現代思想、特に文学理論や哲学において重要な地位を占めている。曖昧さや両義性を分析する際に頻繁に参照される。