2010年末から2012年頃にかけて、中東・北アフリカ諸国で発生した大規模な民主化運動の総称。

以下のような状況が生じたため、一般的に失敗と総括される。

  1. 民主化の頓挫 • 「アラブの春」は独裁政権の打倒や民主主義を目標としていましたが、多くの国で政権崩壊後に民主的な体制が安定せず、結局は新たな独裁政権や権威主義体制が再登場しました(例:エジプト)。

  2. 内戦や治安悪化の長期化 • 特にシリアやリビア、イエメンでは反政府運動が武力衝突や内戦に発展し、多くの死者や難民を生み出し、人道的危機を招きました。

  3. 経済状況の悪化 • 政治的不安定によって経済がさらに悪化し、若者の失業率が上昇しました。生活改善という市民の希望はほぼ叶えられず、むしろ貧困や格差が拡大しました。

  4. 過激派の台頭 • 政府が弱体化した隙をつき、「イスラム国(IS)」など過激派勢力が急速に台頭しました。これがさらなる地域の不安定化やテロの増加を引き起こしました。

  5. 国際社会の介入と混乱の拡大 • NATO諸国や近隣諸国の軍事介入が問題をさらに複雑化させ、一部地域で紛争が泥沼化しました(例:リビア、シリア)。

これらの結果、当初期待された民主化や生活改善とは逆の混乱や暴力、経済の悪化が多くの国々で起こり、現在では「アラブの春」は理想の実現に失敗したと総括されることが多いのです。